ウクライナからの避難民、沖縄へ 県内在住のおじ「安心して過ごせる」


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ウクライナから避難途中のめいから着信があり、無事来日できたと報告を受けるマイコーラ・メドヴィドフさん=5日夜、北谷町内

 ロシアの侵略を受けるウクライナから、ディアナ・メドヴィドワさん(30)が沖縄県内への避難を予定している。5日、成田空港に到着し、新型コロナウイルス対策による3日間の隔離期間を経て来県する。ディアナさんのおじで沖縄科学技術大学院大学(OIST)技術員のマイコーラ・メドヴィドフさん(47)が同日夜、県内報道陣の取材に応じ、無事に来日できたことを喜んだ。

 ディアナさんが住んでいたのはウクライナ東部ルガンスク地方のクリャチフカ村。ウクライナ軍が駐留していなかったため大きな戦闘はなかったが、ロシア軍やウクライナの親ロシア派勢力が制圧して経済活動が止まり、村の人々は職を失ったという。

 日本がウクライナ避難民の受け入れを表明したことを受け、マイコーラさんがディアナさんに連絡。マイコーラさんがウクライナ国外に住む唯一の親族だったため、ディアナさんはマイコーラさんを頼って来沖することになった。

 日本が受け入れるウクライナ避難民は主にポーランドを経由して来日する。しかし、ルガンスク地方はロシアの制圧下にあるため、ディアナさんはポーランドに出国できず、モスクワの日本大使館に援助を求めた。その後、ロシアからカタール経由で来日した。ディアナさんには母と弟がいるが、弟は子どもが生まれたばかりで移動できず、高齢の母は自分の土地と家がある村に残ることを決断したという。

 5日夜の取材中、マイコーラさんはディアナさんから「無事に来日できた」と電話で連絡を受けた。マイコーラさんは大きく胸をなで下ろし「安心した」と笑顔を見せた。一方、侵略を受ける故郷については「いろんな人が職を失い、命を失っている。心が苦しい」と心配した。

 ディアナさんは教師をしていた。沖縄では働くことを望んでいるという。マイコーラさんは「沖縄では安心して過ごせると思う。(ディアナさんは)仕事を求めているので協力してほしい」と、支援を求めた。
 (稲福政俊)


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