「沖縄から平和を」ウクライナ出身女性、難民受け入れ支援呼び掛け 那覇でイベント


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ウクライナ難民の移住支援を呼び掛けるアラ・コバルチュークさん(右)と夫の比嘉啓勝さん=21日午後、那覇市安里のさいおんスクエア前広場

 ロシアのウクライナ侵攻に反対するイベント「NO WAR ピースライブ沖縄」が21日、那覇市内であった。沖縄在住でウクライナ出身のアラ・コバルチュークさん(47)も駆け付け「イベントの目的は沖縄から平和のメッセージを世界中に届けることだと思う。沖縄も第2次世界大戦で戦争の苦しみを経験し、多くを失った」と故郷への支援を呼び掛けた。アラさんは夫の比嘉啓勝さん(47)らとウクライナ難民を受け入れる支援団体を設立し、渡航費や渡航後の生活のための寄付を募っている。

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 「NO WAR ピースライブ沖縄」には県内で活躍するアーティストや高校生、大学生ら若者が多く参加し、音楽ライブやスピーチを通して戦争や暴力に反対するメッセージを発信した。

 アラさんはウクライナ南部の都市ヘルソン出身。ロシアが実効支配するクリミア半島に近く、ロシアの軍事侵攻直後から攻撃を受けた。アラさんの両親や弟の家族はヘルソンに残ったままで、弟はウクライナ兵として戦闘の最前線にいるという。インターネットが使えず、家族と電話での連絡も取りづらくなっており、安否を心配する日が続く。

 アラさんは「21世紀のヨーロッパで、自分の家族と国で戦争が起こっていることを現実として信じることが困難だった。沖縄にいて何ができるか自問自答した。反戦の声を上げるため、状況を伝えることが私にできることだ」と力を込めた。

 夫の比嘉さんらと立ち上げた支援団体は「沖縄ウクライナ難民救済協会」(OURRS)で、自費負担となる渡航費や移住後の生活のための支援に充てるため寄付を募る。比嘉さんは「着の身着のままで避難してきたウクライナ人にとって、国境沿いから日本に来るまでの金銭的なサポートが必要になる」と話す。

 OURRSは当面比嘉さんの経営する会社を窓口とし、今後社団法人などへの移行を検討する。(當山幸都)


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