琉球新報が入手した昨年8月のオスプレイ部品落下に関する報告書では、「ブレードフェアリング」の落下については「ありふれた」ことだとし、海兵隊のMV22に限らず、同型系統機の設計上の問題であることが示唆されていた。報告書には落下物の再発防止策についても記述しているが、同飛行場所属のオスプレイは直後の昨年11月にも、宜野湾市の民間住宅地に水筒を落下させている。
>>一報はこちら>>オスプレイ部品落下は設計上の問題 普天間所属機21年事故 米軍報告
報告書でブレードフェアリングについて「貧相なデザインのため、TOFA(航空機からの落下物)確認リストに入っている」としている。落下しやすい部品が複数種類存在する可能性もある。
部品落下事故を起こした米海兵隊が運用するMV22と同系統機として、空軍型のCV22、海軍型のCMV22などがある。両機種は嘉手納基地にも外来機として飛来している。部品落下の懸念は、海兵隊や普天間飛行場周辺だけとは限らない。
事故機機長を2週間の資格停止処分にしたことを記した昨年8月20日付の報告書には、再発防止策として、メンテナンスの手順や用語の定義の確認や点検をすることが記載されている。その中で「個人的、組織的エラーがあったのは明らか」、「(部品落下について)標準の確認リストでは不十分」とし、部品落下の発生は人的な要因も含んでいたことを認めている。
米側は事故発生当時、取材に対し「深刻に受け止め、事故原因究明のための徹底的な調査をする」と強調した一方、同型機の飛行停止はしなかった。昨年11月のオスプレイからの水筒落下時も、在沖米海兵隊は「機内装備の固定について、再度注意喚起した」との見解を示し、同型機の飛行を続けた。
(塚崎昇平)
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