【中部・北部】昨年8月の米軍普天間飛行場所属MV22オスプレイの部品落下事故に関して、不適切な整備などが事故を誘発した可能性があることを受け、地域住民らからは「あきれて言葉も出ない」などとため息が漏れた。米軍基地に由来する事件事故が相次ぐ現状に対して、日本政府の対応に不信感を募らせる声もあった。
>>一報はこちら>>オスプレイ部品落下は設計上の問題 普天間所属機21年事故 米軍報告
2017年に米軍ヘリの部品が落下した宜野湾市の緑ヶ丘保育園の神谷武宏園長(59)は「安全を尽くす心掛けもないのか」と語気を強めた。本紙が入手した報告書には落下部品の一つについて「ありふれた落下物」との記載もあった。神谷園長は、同園の上空を日常的に米軍機が飛来することに触れ「恐ろしい。人間扱いされていなようだ」と憤った。
「復帰50年たってもこれか。あまりにもひどい状況だ」と怒りを抑え切れない様子で語るのは、普天間爆音訴訟団前団長の島田善次さん(81)。基地問題が復帰前から少しも前進していないとして「状況に甘んじてはいけない。行動していかないといけない」と強調した。
部品落下は、米軍キャンプ・シュワブとキャンプ・ハンセンなどにまたがる「中部訓練場」と普天間飛行場の間を飛行中の間に起きたが、現在も落下部品は見つかっていない。キャンプ・ハンセンがある金武町屋嘉の久高栄一さん(74)は「基地は日本全体で負担するべきなのに、こんなひどい状況にあるのは日本で沖縄だけだ」と語る。その上で「いつ事故が起きるのかとびくびくしている県民の状況を、政府が放置していることが問題だ」と話した。
(新垣若菜)
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