![](https://ryukyushimpo.jp/tachyon/legacy/002/202204/f0107b64db8ef19d490390c59c08d8b8.jpg)
今月1日、日本銀行は「短観」の結果を公表した。正式には「企業短期経済観測調査」という長い名前がついている。日本銀行が全国の約1万社の企業を対象に行う統計調査であり、四半期ごとに実施している。調査結果の公表は、全国の集計だけでなく、その内訳である地域ごとについても行われる。那覇支店では、県内企業への調査結果である沖縄県版の「短観」を公表しており、毎回その内容を記者会見で説明するのが、私の重要な仕事の一つとなっている。当紙の紙面で記事をご覧になった方も多いと思う。
様々な内容を調査しているが、最も注目されるのが業況判断だ。これは、調査先の企業に、業況が(1)良い、(2)さほど良くない、(3)悪い―から一つ選択してもらい、(1)の回答率から(3)の回答率を引いた値を示したものである。単純な統計だが、景気の全体観をかなりよく表している。県内経済全体を示す統計としては、県内総生産があるが、国内総生産のように速報値がなく、公表には時間がかかる。こうした中で、迅速に県内経済の全体観をつかむのに、沖縄県版「短観」の業況判断は有用性が高い。
「短観」では、業況判断のほかにも、価格判断や雇用判断、事業計画の計数などの調査も行っている。沖縄県では143の企業の方々にご協力いただいている。回答の負担は大きいと思うが、驚くべきことに回答率は毎回ほぼ100%である。日本銀行の仕事は、こうした皆様の多大な協力に支えられている。