強制性交致傷、米兵が事件後に基地へ逃走 県警が特定し米軍拘束


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 沖縄県内で女性に性的暴行を加えようとし、けがを負わせたとして強制性交等致傷罪で米海兵隊上等兵の20代男性が起訴された事件で、同被告は現場から逃走した後、基地内で米軍に拘束されていたことが19日、捜査関係者への取材で分かった。沖縄県警は聞き込みや防犯カメラ映像の解析などから同被告を特定、米軍の関係機関に照会した。その後、米軍が早期に身柄を拘束した。被害者は県内の日本人女性で、同被告と面識はなかったという。

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 昨年10月、被告は基地外で被害女性に性的暴行を加えようとした。近隣住民から「女性が助けを求めている」と通報を受け、県警が現場に駆け付けると同被告はすでに立ち去っていた。

 捜査関係者によると、県警の捜査で同被告の犯行と特定し、米軍に照会を求めた。県警の情報を基に米軍は早期に基地内で同被告を拘束したという。

 県警は米軍の関係機関と連携を図り、証拠品の押収や裏付け捜査を実施した。同被告は米軍の監視下にあり、逃走や証拠隠滅の恐れがないとして、県警の出頭要請に応じる形で複数回にわたって取り調べを進めた。

 県警幹部によると、3年前に北谷町で発生した米兵による殺人事件を機に、県警と米軍の情報共有や協力体制の構築が進み、双方や関係機関の協力で起訴に至ったという。

 沖縄国際大学の前泊博盛教授(安全保障論)は「米軍と県警の捜査協力は評価できる。双方の連携が進むことで事件抑止などにもつながる」と指摘する。米軍関係の事件や事故について「日米の捜査機関のみで情報共有を図るのではなく、市民一般からも透明性が認められる情報共有が求められる」と強調した。

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