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女性技術者の採用と継続 坂口智美・建設技術者養成センター代表<仕事の余白>


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 最近よく「資格保有者を紹介してほしい」と依頼がある。背景には、2019年に改正労働基準法が施行され、建設業でも「残業の上限規制」が本格的に実施される24年が間近になってきたことが考えられる。建設業就業者の減少傾向が続き、どの建設会社も技術者不足で交代要員が確保できず、作業環境、残業の改善ができないからだ。

 建設業の人手不足の原因は「3K」に加え、給料が安い、労働環境が悪い、価値観の違い等も挙げられる。このようなイメージを払拭(ふっしょく)するべく新3K「給料・休日・希望」の取り組みと併せて、女性でも働ける環境を整備することである。昔は「力仕事なんだから男性の仕事、女性は長くいないから仕事を教えても無駄」と思われてきた。現在はIT化で働き方が変化し、女性でも技術者として仕事がしやすい時代になった。コロナ禍でテレワークも浸透し自宅で仕事ができている。

 子育て世代やシングルマザーで長時間労働が難しい人でも、業務の切り分けを行い労働時間を短縮するなど工夫できる。そうして女性が継続して働ける会社は業績も伸びている。

 他にも若手人材が定着しない原因として私が直接聞き取りした結果、就職後の指導方法に具体性がなく、昔ながらの「仕事を見て覚えろ」というやり方に近く、仕事の面白みがなかったという意見が圧倒的だった。今の時代にマッチした価値観を指導者も学び、スキルアップする必要があるのである。