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ロジスティクスで沖縄創生 琉球通運代表取締役会長・新垣直人<仕事の余白>


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 ロジスティクスとは、物流の一連の流れを最適化し、さまざまな工程を一元化して管理することを言います。今は当たり前に使われていますが、実は軍事用語から始まったのを皆さんご存じですか? 戦争を遂行するために必要な人的、物的戦闘力を維持増強して提供することです。

 日本では兵站(へいたん)と訳され、戦場の後方にあって、作戦に必要な物資の補給や整備、連絡などにあたる機関のことをいいます。日本は、この兵站部隊を軽視したことが敗戦につながったとされています。

 「経営のプロはロジスティクスを語り、素人は戦略を語る」という言葉があるようにロジスティクスは運ぶだけでなく、生産、流通も含んだ物流の概念として使われるようになりました。最近ではフィジカル・インターネット、物流DXなどデジタルを駆使した効率的な仕組みが増え、トラック等の輸送手段と倉庫のシェアリングによる稼働率向上や燃料消費量抑制、カーボンニュートラルなど持続可能な社会を実現するための仕組みに国も取り組んでいます。

 私たち琉球通運は、雇用を生み、街が豊かになり、人口が増え、地域が潤い、国が潤う街づくりの根幹を支えるものがロジスティクスであると考えています。そして、これからの物流業界は、頭脳集団でなくてはいけません。沖縄の立地の重要性は歴史が証明してくれています。その立地を生かし、世界に向けた沖縄の物流事業「ロジスティクス」の進化に期待をもって取り組みたいと思います。