気象庁によると、沖縄地方の5月の降水量が約4578ミリに上り、1967年以来の観測史上最多を更新した。沖縄気象台の七つの地上気象観測地点の合計で、同地点の平年値の1522ミリの約3倍に上る。7地点のこれまでの最多降雨量は、2020年5月に記録した2932ミリ。それまでの最多降雨量記録の1・5倍増となった。
沖縄地方には気象台が管理する県内の25観測地点があり、その中の那覇、名護、久米島、宮古島、石垣島、西表島、与那国島、南大東島の8施設が地上気象観測地点と呼ばれる。8地点での観測記録は1967年から残っている。記録は気候特性の異なる南大東島を除いた7地点で比較した。
七つの地上気象観測地点で、5月の総降水量が平年比の3倍超となったのは、宮古島815ミリ(同月平年222・3ミリ)、西表島582ミリ(同176ミリ)、与那国島666ミリ(同207ミリ)、石垣島588ミリ(同191ミリ)。
気象台によると、5月の降水量が増えた要因としてラニーニャ現象で偏西風が蛇行し、梅雨前線が沖縄地方の付近に停滞しやすいことがある。また、日本の南海上に勢力の強い太平洋高気圧があり、縁を沿って南から湿った空気が強く流れ込み、梅雨前線の活動を活発化させている。
3日までは梅雨前線が活発な状態で、大雨が降る可能性がある。 気象台が発表した3カ月予報によると、降水量は平年並みか少ない予報になっている。 (狩俣悠喜)
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