「沖縄文化を入れることが大事」 東京五輪ドキュメンタリー映画公開、河瀨直美監督に聞く


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
本紙の取材に応じた河瀬直美監督

 【東京】ドキュメンタリー作品「東京2020オリンピックSIDE:A」の公開が始まった。「人生の金メダリスト」をテーマにアスリートたちの人間像を多面的に追った。本紙の号外製作現場も登場する。映画の完成に伴い、監督の河瀬直美さんが本紙のインタビューに応じた。河瀬さんは「島言葉が素晴らしい。琉球舞踊とか琉歌にすごくひかれている。勉強をして沖縄でちゃんと映画を撮りたいと思った」と沖縄を題材にした映画製作に意欲を示した。

 映画は、コロナ下の開催で、多くのアスリートがさまざまな事情を抱えつつ、2021年夏に輝き、その背景にある人間模様も描く。家族渡航が厳しく制限された中で母である選手の選択、他国から出場する選手、難民選手団など、表舞台では知られなかった事情を伝えている。

 東京五輪空手男子形の金メダリストの喜友名諒選手も登場。空手を志した動機と母への思いなどを織り交ぜて平和の祭典で果たした姿を伝える。

 喜友名選手の場面は映画製作で当初はワンカットぐらいでとの方針だったという。しかし製作過程で考え直した内情に言及。「空手にフォーカスすることで世界が大事にしないといけないものがあるんじゃないか。人類が五輪を続ける限り、沖縄文化を入れることが大事だと思った」と話した。
 (斎藤学)

   ◇  ◇

 県内では、シネマQなどで上映されている。


【一問一答】力強い文化や精神性伝えたい 東京五輪映画の河瀬監督、沖縄シーンに込めた思い