prime

存在意義(purpose)経営への序章 琉球通運代表取締役会長・新垣直人<仕事の余白>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 株式会社には事業年度の終了後、定時株主総会の招集・開催が義務付けられている。株主総会とは株式会社の最高意思決定機関であり、株主で構成され、会社の基本的な方針や重要な事項を決定することが目的だ。

 そのようなことから私は、株主はその企業における一番の理解者であり、一番のファンであり、健全な目で気づきを与えてくれる一番のサポーターでいなければならないと考える。なぜなら株主は議決に加わる権利を持つからだ。株主はその議決権を企業価値が向上するよう行使し、企業発展につなげる。業績が上がれば配当金など利益分配を受け取り、利益が上がれば上がるほど株主配当金も増える。賢い株主なのだ。

 しかし、権利だけを主張し自ら存在意義の価値を下げる様な提案を行う株主もいると聞く。会社を経営する立場からすると嘆かわしいことだ。

 ここまではあくまでも非上場企業の話で、世間でいう上場企業の場合は違う。株式が証券取引所で売買されるため、株主と言っても議決にかかわらず、投資の一環としてやり取りされるからだ。しかし、上場企業であれ、非上場企業であれ、株主である限りその企業を応援したいと思うのは当然のことだ。その企業の存在意義(purpose)に共感し応援してくれる人が増えるほど、その会社はブランディング効果も高まり、成長にもつながる。

 琉球通運グループは全て非上場企業であり、大半が6月に株主総会を開催する。賢い株主で構成された企業でありたい。