【西表=竹富】竹富町西表島の上原港と石垣市を結ぶ高速船の乗船券の回数券が偽造され、観光客らに出回り使用されていたことが、6日までに関係者への取材で分かった。
被害に遭った船会社は県警に被害を届け出た上で、同社ホームページで注意喚起をした。
県警は関係先などを捜索したほか、複数の関係者から話を聞くなどしていて有価証券偽造などの疑いを視野に慎重に捜査を進めている。回数券のデザインはその後、変更した。
複数の関係者によると、回数券の偽造は西表島内の観光業者が行っていたといい、観光客らに事前に郵送するなどして販売していた。
上原―石垣間の回数券は通常1枚あたり2千円ほどの価格だが、偽造券の価格は約半額の1200円程度だった。数年前から発行を始め、少なくとも1万枚以上偽造されたとみられる。
偽造券は精巧に作られていて、船会社の従業員でも、一見して偽造券と見破ることは困難だった。券の切り取り部分のミシン目の数が本物とは違うなど、若干の相違点がある程度だという。
偽造券の発行に関わったとされる業者関係者の男性は、本紙の電話取材に「偽造した事実は一切ない。警察の捜査には協力しただけであり、風評被害に遭って困っている」と関与を全面的に否定した。
偽造券の発行を受け、船会社は自社のホームページで利用者に偽造券の購入や使用を控えるよう呼び掛けた。
【関連記事】
▼DiDi悪用で16歳少年を逮捕 タクシー料詐取疑い 4万円余の不当利益得る 沖縄県警
▼半グレ撤退宣言後も団結を…石垣島「縁切り同盟」警察と情報交換
▼<沖縄の闇社会を追う1>「桜を見る会」に現れた半グレと業界再編