政治家とのつながりが政治問題化している宗教団体「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」を巡って、玉城デニー沖縄県知事が「統一教会の会合に参加」しているとの指摘が、登壇している写真とともに短文投稿サイトツイッターで取りざたされている。だがこれは誤りだ。そもそも写真は「家庭連合」の集会ではなく別の団体の式典のもの。玉城知事も28日の会見の席上、改めて団体との関係はないと述べて出席を否定している。
▼【独自】旧統一教会団体の会合、沖縄の政治家が参加 知事選立候補予定者の佐喜真氏も
ツイッターの投稿は、世界平和統一家庭連合の沖縄の拠点「那覇家庭教会」のタイトルカットと合わせて、玉城知事が壇上であいさつしている写真を掲載。それに「統一教会の会合に参加」「統一教会で演説する玉城デニー どう説明する?」などとコメントを付けている。
旧統一教会を巡っては安倍晋三元首相殺害の犯行動機ともされていることもあり、政治と宗教の関係がクローズアップされている。県知事選立候補予定者の佐喜真淳氏は団体の関係組織の集会に出席したことを認めているが、佐喜真氏の出席を報じる記事のツイッターに「玉城知事も参加」とする写真とコメントが投稿されている。
玉城知事の「出席」を指摘するツイッターの写真には「民団」の文字が写り込んでいる。これは韓国政府公認の民族団体「在日本大韓民国民団沖縄県地方本部」のことで、写真は「沖縄民団創立50周年記念式典」であいさつする玉城知事の写真だ。民団沖縄のホームページにも同じ背景で写る玉城知事の写真が掲載されている。
民団沖縄は本紙の取材に「勝手に写真を使われた。抗議したい。民団は那覇家庭協会とは何の関係もない」と話している。
玉城知事は28日の会見で本紙の質問に答え「あいさつをしているのは民団50周年記念に公務として出席し祝辞を述べた際の写真だ。くだんの関係する団体とは一切関わり、関連はない」と述べた。
さらに別のツイッターでは、玉城知事が訪韓した際の写真を「那覇家庭教会」のロゴとともに投稿されたものもあった。これについても玉城知事は「私が韓国を訪問したときに韓国の県人会の方々と一緒に載った写真が、別の団体のホームページに掲載されているというような情報もあるが、韓国における県人会の方々との写真についても件の関係する団体とは一切関わり、関連はない」と話した。
またネット上には、民団沖縄の記念式典に世界平和統一家庭連合の代表が来賓として紹介されたとの記載もあった。民団沖縄に聞いたところ「民団50周年記念式典に家庭教会の代表の方が来賓あいさつとして招かれていたことも事実ではない」と否定している。
那覇家庭教会のホームページは27日現在、閲覧できない状態になっており、玉城知事の登壇スピーチの写真や訪韓時の県人会の写真を掲載していたか確認できなかった。玉城知事の写真を取り扱っていることなどを含めて那覇家庭教会に取材したが、「東京の本部に広報があるのでそちらに聞いてほしい」と答えるだけだった。
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