沖縄県の玉城デニー知事は28日の会見で、保育所内で新型コロナウイルス感染者と接触した園児らについて、症状がなければPCR検査結果を待たずに登園可能とする方向で調整していることを明らかにした。県はこれまで、感染者と接触した園児らに検査結果が出るまでの登園待機を求めてきた。感染者増加に伴い、登園の方針緩和は、検査結果が出るまでの時間が長期化し、待機期間が延びていることが理由。早ければ週明けにも通知文を出す方針だ。
現在、保育所で感染者が出た場合は、感染者がいたクラスの園児らを対象に「保育PCR」という県独自の検査を行っており、検査結果が出るまでの間は登園待機を推奨してきた。
一方、厚生労働省が出した事務連絡は、保育所や小学校などでは「同一世帯内と比べて濃厚接触者が感染している確率は必ずしも高くない」と指摘。乳幼児は基本的な感染対策の徹底が難しいとしつつ、自治体に柔軟な対応を求めていた。
県の糸数公保健医療部長は「無症状であれば感染はあまり広がらないであろう。症状がある人をしっかり隔離する」と狙いを語った。 (知念征尚)
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