【ちむどんどん第81話】伝統的な染め物「紅型」 朝ドラ「ちむどんどん」キーワード集【ネタバレ注意】


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紅型の衣装で琉球舞踊「かせかけ」を踊る子どもたち=7月19日、那覇市の琉球新報ホール

 ちむどんどん第81話では、暢子(黒島結菜)が結婚式で着ると思われる松竹梅にツルなどの柄があしらわれた紅型(びんがた)風の衣装を三郎〈片岡鶴太郎)の妻・多江(長野里美)に合わせてもらっている場面がありました。しかし、暢子は自身が働く料理屋に入った泥棒が気になり、気もそぞろといった様子でしたね。

 「紅型」は沖縄の伝統的な染め物です。紅型は、琉球王朝時代に王族や士族のみ着用が許されていた緻密で多彩な模様を、黄や赤、水色などで鮮やかに染めた伝統工芸品です。手仕事で成り立つ紅型は、明治維新後に和服の流入などもあり衰退の一途をたどり、沖縄戦によって衣装はもとより、紅型をつくるための型紙をはじめ、道具や顔料も失われました。

 しかし戦後、紅型職人の城間栄喜さん(1908~92年)をはじめとする職人や研修者によって復興を遂げます。例えば城間さんは、旧日本軍が使っていた地図を型紙材料にし、それを彫る小刀は米軍のごみ捨て場で見つけた金鋸の破片を加工、色差しに使う筆は女性が切った髪の毛をもらい、顔料の赤は米人女性が使い古した口紅を拾って代用品としました。


>>【まとめ】ちむどんどんキーワード集

▼ちむどんどんってどんな意味?

▼復帰前の沖縄、映画館と遊園地はなかった?

▼意味深な民俗学者の一言「19年の空襲で…」って?

▼「とうしんどーい!」って何? 沖縄県民には結婚式や旧盆でおなじみの曲

▼「まーさん」と言えば…ピンクと黄色のあのマーク?