巨大シーサー、バラの絵でプロポーズ祝福も 水アートで駐機場スタッフが乗客に伝える「感謝」 那覇空港


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
駐機場に描かれたシーサーと感謝の文字=20日、那覇市の那覇空港

 那覇空港の駐機場に描かれた巨大なシーサーに「感謝」の文字。はかなくも数分で消えてしまう水アートが注目されている。スカイマーク沖縄空港支店が新型コロナウイルス感染が拡大していた2020年10月に始めた。長引くコロナ禍の中、水アートに励ましてもらったと反響が広がっている。

 航空機の誘導や荷物の積み降ろしなどを担当する、スカイマーク沖縄空港支店のグランドハンドリングスタッフが手掛ける。コロナ感染拡大で同社は減便や運休など大打撃を受けた。その中でも利用してくれる乗客に感謝を伝えようと、最初はじょうろとモップで描いていたが、今は噴霧器で描く。

 5人のスタッフでシーサーやマンタなど20種類ほどを描き分ける。搭乗アンケートには「感動した」「涙が出そうだった」という感想が寄せられる。直接乗客と関わる機会が少なく、感謝を伝えようと始めた取り組みが客室に届いている。

 スタッフの1人、田中領大さん(38)は最近、指でハートを作る「きゅんポーズ」を描くことを習得した。楠田章太さん(40)は、子ども用の描いては消せるお絵かきボードで技を磨く。「絵心はない」と話すのは大隈裕大さん(34)。スタッフらの作品はどれも美しい、努力のたまものだ。

 沖縄でプロポーズされ、プレゼントのバラの花束を機内に預けた乗客が、バラの絵と「しあわせに」のメッセージを描いてもらったとの動画をインスタグラムに上げ、話題となっている。

 炎天下では10秒もたたずに消えてしまうことも。突然の雨で消えてしまうという切ない出来事もあった。それでもスタッフらは「喜んだ姿を見るのが楽しい」と描き続ける。  (金盛文香)

【関連記事】

▼置き忘れ100万円、戻ってきた「信じられない」 タクシー運転手が届け出る

▼波打ち際に倒れた女性…沖縄の高校生10人、学校で習ったAED使って救助

▼給食に1メートルのマンビカー 「大きい!」ビックなメニューに園児も大喜び 北中城幼稚園

▼「夜景ありがとう」で予感…自殺を防いだタクシー運転手

▼6万円を貸してくれた男性は埼玉の医師だった!

▼路上で眠るメジロ、ジョギング男性が肩に乗せ「救出」