【詳報①】那覇市長選 軍港移設、辺野古への対応は? 立候補予定者座談会


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(左)翁長雄治氏 (右)知念覚氏

 23日投開票の那覇市長選に向けて琉球新報社が実施した立候補予定者座談会では、無所属新人で前県議の翁長雄治氏(35)=共産、立民、社民、社大、れいわ、にぬふぁぶし推薦=と、無所属新人で前副市長の知念覚氏(59)=自民、公明推薦=の2氏がそれぞれが目指す県都・那覇市のビジョンを掲げた上で、経済振興や子育て・教育環境整備で独自の施策を打ち出した。クロス討論では政治姿勢などを巡り、白熱した議論を展開。16日の告示を前に論戦は熱を帯びた。知花亜美琉球新報暮らし報道グループ長が司会を務めた。(’22那覇市長選取材班)(文中敬称略)


辺野古

県民と共に反対貫く 翁長氏

名護市長の判断尊重 知念氏

 

 ―米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古新基地へのスタンスは。

 翁長 辺野古新基地建設に関しては建白書の理念に立ち返るべきだ。国防に関する問題にも関わらず、県、名護、辺野古、あるいは宜野湾、普天間と矮小(わいしょう)化されているように感じる。当事者として沖縄の政治家が真正面から向き合うことで将来世代に先送りせず、市民、県民と共にぶれずに反対の意思を貫き、玉城県政と連携して建設阻止に向け行動する。平和的な外交と対話の継続で緊張緩和と互いの信頼関係を構築することが県、市の未来にとって良い状況につながると考える。

 知念 基地を挟んで右か左かに分かれてきた中で苦渋の決断を強いられてきたウチナーンチュを目の当たりにしてきた。県民投票の結果と民意は尊重されなければならず、どのような形で尊重するかは日米両政府がしっかりと考えを示してほしい。名護市民は苦渋の決断をし、市長選で渡具知武豊氏が再選した。従って渡具知市長の国と県の裁判を見守るという姿勢は非常に重いものがある。市町村は互いの街づくりを尊重しなければならない。渡具知市長の姿勢を尊重したい。


那覇軍港

跡地利用で県発展 知念氏
臨空型産業を集積 翁長氏

 那覇軍港の浦添移設へのスタンスは。オスプレイなどの米軍機飛来にはどう対応するか。

 知念 浦添移設は港湾区域内での配置転換であり、現有の那覇軍港の機能確保を目的としていること、那覇軍港の跡地利用は那覇市、県全体の発展に資するため移設を容認する。企業の進出可能性調査に早急に手を付けたい。オスプレイなどの飛来は到底容認できない。5・15メモが厳格に運用されるべきだ。訓練や航空機の離発着の常態化はあってはならない。

 翁長 玉城県政、城間市政と同様に那覇港の港湾整備計画の中での再配置であり、民港機能を最大限に発揮できるよう取り組む。軍港移設前の早期返還を実現し、地権者の合意も取りながら、自衛隊基地の一部返還と併せ、臨空型産業を集積する。那覇軍港の機能強化には断固反対する。基地負担の軽減を求める市民県民の声に逆行する状況は認められない。


【動画あり】翁長氏、知念氏が論戦 那覇市長選立候補予定者座談会

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