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仲間と踏み出す一歩 玉寄智恵子・琉球WILL代表社員<仕事の余白>


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 「たまちゃん、このまま1人で仕事を続けてていいの?」

 大阪での研修が終わり、一緒に夕飯を取ろうと立ち寄った中華店で社労士仲間から言われた言葉だ。長い研修を終えたばかりで冷たいビールとオレンジジュースで疲れをとったところだったが、一気に仕事頭になった。

 見透かされている気がした。26歳で社労士試験に合格し、すぐに結婚、出産とこれまで中心は家庭だった。それでも1人で社労士の仕事はほそぼそと続け、この頃には仕事量を調整するほどになっていた。しかし、お客様から相談を受けてもキャパシティーが足りず十分に応えきれないことも実感していた。もやもやと過ごす中で「私のできる範囲で仕事をやればいい」と何度も自分に言い聞かせていた。振り返ると、なんと自分に都合のいい言い訳をしていたのだろう。その私を見透かす如く突きつけられた言葉だった。

 彼女とこれからの社労士が求められていることを語るほどに1人の限界を感じていった。コロナ対応の助成金申請に慌ただしく日々が過ぎていく中、私の中にはずっと「もっと私に関わる人のためになりたい」という思いが抜けなかった。

 そして、ようやく今年の初めに社労士法人設立を決心し、その友人でもある社労士仲間に宣言したのだ。きっかけはなんてことの無い飲みの席でのひと言だ。でも、そのおかげで今の私には仲間がいる。これからこの仲間たちと、沖縄の企業を支える一番の応援隊になるべく邁進(まいしん)したい。