那覇市長選当選 知念覚氏インタビュー 「チーム沖縄に入る」辺野古「名護市長の判断尊重」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
選挙戦を振り返り、抱負を語る知念覚氏=24日午後、那覇市泉崎の琉球新報社

 23日投開票の沖縄県那覇市長選で初当選を果たした知念覚氏(59)は24日、那覇市泉崎の琉球新報社で島洋子編集局長のインタビューに応じた。知念氏は県内の保守系首長でつくる「チーム沖縄」に「入る」と明言し、那覇軍港の跡地利用は「こういう企業が進出したいというのを次年度まとめる」と述べ、2023年度をめどに取りまとめる考えを示した。  

▼知念氏の横顔は? 行政実務能力を生かし、県都のかじ取りへ

―すぐに取り掛かりたい事業は。

 「物価高が市民生活を直撃している。市の力だけでは厳しいところもあるので、国の補正予算を精査して対応したい」  

―那覇軍港の跡地利用構想の日程感は。

 「こういう企業が進出したいというのを次年度まとめる。(構想計画には)地主会との合意形成が必要だ。あとは返還時期をにらみながら、スピード感で合わせる。跡地は第二の市の稼ぎ頭になる可能性がある。未来に対する投資だ」  

―辺野古問題で違いのあった翁長雄治候補が5万票を取った。辺野古反対を県都の首長として示してほしいとの思いが一定程度あったのでは。

 「市町村行政は住民の思いを込めた街づくりをすべきだと言ってきた。那覇にある基地については判断するし、全県的な基地負担軽減にも取り組む。辺野古は名護市民が選挙で議論したので名護市長の判断を尊重する」  ―故翁長雄志氏は那覇市長として辺野古に関しても積極的に行動した。  「状況が違う。当時の県知事が辺野古反対について能動的な動きをしなかったので、故翁長氏が自ら市町村をまとめ建白書をつくった。今は基地問題は県政が主導している。県がイニシアチブを取るべきだ」  

―チーム沖縄に入るか。

 「入る。松本哲治浦添市長が訴えている西海岸構想は那覇市も当事者になるので連携してやりたい。県にも物申すし、合っていることは合っているで良い」  

―政権与党へのあいさつ回りで何を話すか。

 「短期的なものに限らず、県都那覇の振興に関する協議会の話もしたい」  

―城間幹子市政から引き継いでやることは。

 「翁長、城間市政で続いた協働による街づくりの到達点が実はあまり見えていない。最終的な地域包括ケアシステムという大きなスキームをしっかり示したい」  

―「オール沖縄」から出る選択肢はあったか。

 「私は市民目線オンリーだった。オール沖縄が辺野古にこだわっている限りは厳しかったかもしれない」    

◇   ◇  

▽那覇市長選開票結果(選管最終) 当 64165票 知念覚 無・新   

                   54125票 翁長雄治 無・新

【関連記事】

▼翁長元市長の言葉を胸に「市民のため即行動」 那覇市長初当選の知念さん、喜びと決意

▼那覇市長選、知念氏が初当選 自公推薦、「オール沖縄」擁立の翁長氏に1万40票差

▼効果的だった知念陣営の戦略、翁長陣営は態勢構築に遅れ

▼追い込まれた「オール沖縄」勢力 自公は7市長選で全勝

▼【識者評論】「オール沖縄」勢力は現実直視を 翁長前知事の「遺産」では勝てない