米軍嘉手納基地のF15戦闘機、来年54機が退役 アラスカのF22が巡回駐留へ 英紙報道


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米軍嘉手納基地所属のF15戦闘機=2022年6月9日午後3時4分、北谷町上空

 英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)電子版などは27日、米空軍が嘉手納基地に配備しているF15戦闘機を1年後に退役させる方針だと報じた。嘉手納に配備されているF15は全部で2飛行隊の48機と予備機6機の合計54機。同紙などは、退役はF15の老朽化が理由だとしている。一方、F15の退役後には、米アラスカ州に配備されている第5世代戦闘機のF22が、嘉手納に6カ月単位で切れ目なく巡回駐留する部隊に置き換える方針だとしている。

 FTやニュースサイト「ビジネスレンド」によると、F15の退役方針について日本政府側からは抑止力が低下するという懸念も上がっている。ビジネスレンドによると、メデイロス元米国家安全保障会議アジア上級部長は、嘉手納基地は中国のミサイル攻撃を受けやすいとして、巡回駐留に利点があるとの見方を示した。一方、日本政府には米国の関与低下と受け止められる可能性を指摘した。

 F15退役に伴って嘉手納基地周辺の騒音減も予想されるが、代わりにF22が巡回配備されるため、住民生活への影響の度合いは不透明だ。

 米軍は老朽化が問題となっているF15戦闘機を順次退役させてきた。関係者によると嘉手納基地のF15も老朽化が激しく、稼働率も下がっている。

 一方、米本国ではF15の次期型として「F15EXイーグルⅡ」への更新が進められており、将来的に嘉手納基地にもF15EXが配備される可能性も考えられる。
 (島袋良太)

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