首里城再建で沖縄県への寄付は55億円超 その使い道は?<首里城焼失3年・希望つなぎ「象徴」復興へ>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
奉神門(左奥)の近くに建設が進む木材倉庫・加工場=2022年5月11日、那覇市の首里城公園(ジャン松元撮影)

 2019年10月31日の首里城火災直後から、県外、海外からも首里城再建へ向けた寄付が寄せられた。22年9月末までに県に寄せられた首里城復興への寄付金額は55億8989万8413円に上る。

 このうち、22年3月までの「首里城復興基金」に寄せられた約55億円は城郭内の施設などの復元に活用する。正殿には約24億円を充て、残りは城郭内の北殿や南殿など他の施設の復元に活用する。

報道機関などに公開された木材倉庫=2022年9月30日、那覇市の首里城公園(大城直也撮影)

 県は寄付金の使い道の選定基準について(1)寄付者や来訪者の目に付きやすい「象徴部分」(2)県内に蓄積・継承されている伝統技術の活用に資するよう、県産材または県内職人が関わるもの―を挙げている。

 22年4月からは「首里城未来基金」を立ち上げており、首里城に象徴される沖縄の歴史と文化の継承に取り組むための資金に充てる。

(玉城江梨子)
 

 首里城火災から31日で3年が経過した。11月3日には起工式が行われ、正殿復元工事が本格的に始まる。正殿は沖縄最大の伝統的木造建築で、今回の「令和の復元」でも伝統的工法が用いられる。さらに平成の復元後の新たな知見も加わり、王朝時代の姿に迫る。正殿は2026年秋に完成する予定だ。

 

<<特集「希望つなぎ「象徴」復興へ」ほかの記事を読む

>>首里城復興へ-あの日から3年- 特設ページ


【関連記事】

▼【動くグラフィック】首里城焼失、あの日何が…10・31ドキュメント

▼【写真特集】こんなに美しかった首里城の正殿 琉球新報の写真で振り返る

▼【ルポ】首里城焼失 その時、記者は…衝撃、悲しみを乗り越えて

▼【首里城 私たちのリアル】復興の形は? 20代、30代、40代が語り合った