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【図解】新しい首里城正殿はどうなる?「令和の復元」の特徴は?<首里城焼失3年・希望つなぎ「象徴」復興へ>


 今回の「令和の復元」では伝統技術の活用と継承のため、木材や塗料、瓦などで県産資材を使用する点が大きな特徴だ。

 正殿に使う木材は、焼失前はタイワンヒノキが多く用いられていたが、令和の復元では大径材に国産ヒノキを中心に、向拝柱(こうはいばしら)は長崎県産のイヌマキ(チャーギ)、上部の屋根裏で赤瓦などの重みを支える小屋丸太梁の一部に県産のオキナワウラジロガシを使う。

 9月に木材倉庫・加工場、正殿の原寸大図面を置く「原寸場」が完成し、10月から木材が運び込まれている。

 首里城正殿独特の朱色の外壁の顔料には、名護市久志で取れるバクテリア由来の赤色顔料「久志弁柄(べんがら)」を採用する。

 前回復元後に見つかった仏海軍のジュール・ルヴェルテガ少尉が1877年に撮影した写真や尚家文書などの新たな知見に基づき、変更される点もある。

 正殿正面の向拝柱奥の彫刻は焼失前は中央に牡丹、左右に唐草の形式だったが、ルヴェルテガ氏の写真の分析で獅子も含まれていることを確認。牡丹三つと獅子が一対の文様で構成する。

 正殿2階に掛けてあった中国皇帝から贈られた扁額は、焼失前は赤が基調だった地板を黄塗りに変更し、漆に金箔を塗って表現していた額縁の龍模様は彫刻になるなど、大きく様変わりする。

 正殿向かって左側の北殿側の廊下(西之廊下)は、焼失前は北殿手前で途切れていて、屋根はつながっていなかった。今回は廊下の面積を広くし、両廊下とも寄棟となり、北殿と廊下もつながる。

 正面向きか相対向きかで議論の対象となっている大龍柱の向きは、「暫定的な結論」として、今回復元でも前回同様、相対向きとする予定だ。

 防火対策では、火災発生時に迅速かつ適切な対応が可能となるよう、誤作動防止機能付きのスプリンクラーや、消火用の水を城郭内に送る連結送水管を新たに設置する。

(玉城江梨子)

 






 首里城火災から31日で3年が経過した。11月3日には起工式が行われ、正殿復元工事が本格的に始まる。正殿は沖縄最大の伝統的木造建築で、今回の「令和の復元」でも伝統的工法が用いられる。さらに平成の復元後の新たな知見も加わり、王朝時代の姿に迫る。正殿は2026年秋に完成する予定だ。

 

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