沖縄県、戦闘車搬入に与那国空港の使用許可へ きょうから日米訓練 中城湾港も使用


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16式機動戦闘車(MCV)=10月、陸上自衛隊東富士演習場

 日米共同統合演習「キーン・ソード23」に向けて、防衛省統合幕僚監部は8日、民間のチャーター船(PFI船舶)を使用し、沖縄県の中城湾港に車両73台、人員約200人を運搬する。県内で民間港湾を使った訓練が事実上スタートする。一方、演習の一環で与那国空港に自衛隊の16式機動戦闘車(MCV)を運び込む計画を巡り、沖縄県は統合幕僚監部が提出した「制限重量超過航空機使用申請書」について7日までに技術的な審査を完了し、空港など関係機関との調整を進めた。県は8日にも空港使用を許可する見通しだ。 

 8日に県内へ車両などを運搬するPFI船舶は「はくおう」で、鹿児島港から名瀬港(奄美大島)を経由し、中城湾港へ向かう計画だ。船舶の位置情報を公開している民間ホームページ「マリントラフィック」によると、はくおうは、7日午前に名瀬港に到着し、その後出航した。7日午後6時現在、奄美大島・瀬戸内町の沖合を航行している様子が確認された。

 県内に運搬される部隊は陸自西部方面隊や空自航空総隊の隊員らで、関係者によると、中城湾港に搬入した車両は公道で、陸上自衛隊那覇駐屯地などに向かう予定だ。統合演習では、八重瀬分屯地と南与座分屯地で10~19日の期間中、陸自による地対艦ミサイル部隊の展開訓練も予定されている。

 一方、与那国空港の使用に関する要請について、県空港課は7日、取材に対して「技術的側面の審査は完了したが、与那国空港を含めた関係機関や、県内部での調整が続いている」などと説明した。県関係者によると、空港使用の許可と同時に、機動戦闘車の民間地での走行について、住民生活に配慮するよう求める方向で調整している。 (池田哲平、武井悠)

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