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社労士との出合い 玉寄智恵子・琉球WILL代表社員<仕事の余白>


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 大学生の私には夢があった。専業主婦になりたい、それも「賢い専業主婦」になりたいと。大学卒業後、そのまま結婚という道はなく大阪でOLとなった。初めての仕事をしながらも、私は夢を叶えるべく専業主婦計画を実行していった。そこで始めたのがファイナンシャル・プランナー(FP)資格取得の勉強だ。賢い専業主婦なら、家庭の「お金」に関することを知る必要があると思ったから。料理教室や婚活パーティーは思い付きもしなかった。

 かくして私は、週に何度か仕事終わりにFPの学校に通い始める。その時に社会保障制度や法に触れる楽しさを感じ、さらに人の生活、働くことと法を結び付けることに興味を持った。そして出合ったのが「社会保険労務士」という資格だ。ここから一気に方向転換し、帰沖して社労士を目指すことになる。

 なけなしの貯金を切り崩し、親を説き伏せるためにも必死になって勉強した。余談になるが、彼氏もなく、勉強するだけの私を不憫(ふびん)に感じた友人は、職場の同僚を紹介してくれた。それが今の主人である。当時のデートは勉強する私の横で、漫画を読む彼という形であった。社労士を無事に合格しても、すぐに結婚してしまうわけだが、それでも今、好きな仕事を続けることができている。賢い主婦もまあまあ実行中だ。

 これまで決して順風だったとはいえないが、それでも、あの時の自分の判断にナイスと言えるように、仕事も家庭も力を尽くしたい。