沖縄、ワクチン広域接種の予約率上昇 11月は83%で9月の2倍超 オミクロン対応供給で


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 新型コロナウイルスのワクチン接種を行う県の広域接種センターなどの予約率が10月以降、上昇している。9月は31%だったが、オミクロン株対応ワクチンの接種券が配布された10月下旬から伸び始め、10月は46%、11月は16日時点で83%となっている。県ワクチン・検査推進課は「今冬に懸念される流行第8波のリスクが高まったことも要因の一つでは」とみている。

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 県の広域接種センターは那覇市の那覇クルーズターミナルと沖縄市の結婚式場NBCの常設2カ所と、商業施設などの臨時会場となる。 同センター2カ所では1日計120~570人の予約枠を設けているが、予約率の上昇に併せて枠を広げているという。

 一方、県内の接種者数は伸び悩んでいる。3回目接種でみると、接種が始まった2021年12月から約半年後の22年5月2日時点では58万7970人と全人口の約40%だった。同年11月14日時点では73万8476人で全人口の約50%と10ポイントの伸びにとどまる。全国平均の接種率は17日時点で66・65%となっている。

 背景には若者の接種率の低さがあり、年代別では重症化リスクの高い70代以上の接種率は80%を超えるが、20~30代以下は30%台にとどまる。

 接種率が上がらない要因として県は、副反応の懸念や今夏の感染拡大でワクチンへの関心が薄れていると推測する。

 しかし、ワクチンや感染によって獲得した免疫は時間とともに減少するため、同課の担当者は「年末年始の感染の波に備え、重症化予防等の観点から、対象者は早期の接種を検討してほしい」と呼びかけた。 (嘉陽拓也)


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