「ただいま」「おかえり」コトー先生会いたかった ドラマ放送から20年ぶりに島が沸いた日


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舞台あいさつに立つ吉岡秀隆さん(中央)、柴咲コウさん(右)、中江功監督=21日午後、与那国町

【与那国】12月16日に公開される映画「Dr.コトー診療所」。公開前の11月21日、映画の撮影地となった与那国町で、町民を招いての上映会が離島振興総合センターで開かれた。その後の舞台あいさつでは、出演した俳優の吉岡秀隆さん、柴咲コウさん、監督の中江功さんが登場。島は大きく沸いた。

「ただいま」。映画の主役、「Dr.コトー」こと五島健助役を演じた吉岡さんが、開口一番、五島の口調そのままにあいさつすると、町民は拍手と指笛で応えた。

映画「Dr.コトー診療所」は、山田貴敏さん作の同名漫画を原作に、2003年に放送が始まったドラマの続編にあたる。東京から日本の西端に位置する架空の島、「志木那島」に赴任した外科医の五島が、へき地医療に奮闘する姿を描いた物語だ。

ドラマの撮影も与那国町で行われ、診療所のセットは、今も町内の観光名所となっている。

一般への上映は今回が初だった。舞台あいさつで吉岡さんが「感謝のつもりで、皆さんに最初に見てもらいたかった。面白かったですか?」と問いかけると、大きな拍手が鳴り響いた。

上映会に参加した町民たち

会場で親戚と共に「コトー先生おかえりなさい」と書かれた横断幕を掲げた町内の会社員、入松田佐智子さん(50)は、ドラマをきっかけに与那国へ移り住んだという。「映画はハラハラドキドキで最後まで楽しめた」と興奮した様子で話した。

ドラマの放送からは、およそ20年の歳月が流れている。五島の妻、彩佳を演じた柴咲さんは「かなり久しぶりに皆さんに見てもらえる。(キャラクターの変化を)皆さんの生活や流れた時間に重ね合わせて見てもらえたらうれしい」とあいさつした。

監督の中江さんは、与那国島の自然が作品のイメージに合い、撮影地にはまったと説明した。「ここまで来て下手な映像は撮れなかった」と語り、美しい島の風景を撮影した際のこだわりを語った。

町民からは「コトー先生に『いつお帰りになるのですか?』と手紙を書こうと思っていた。会えるのを心待ちにしていた。与那国島の美しさ、人の温かさを伝えてくれてありがとうございました」との声も。

今作がシリーズの集大成となる。最後に吉岡さんが「これが僕らにできる精いっぱいだ。もう五島健助として与那国島に来ることはないが、どうか皆さんの心の古里の中で、コトーを生き続けさせてください」と述べると、またしても会場は大きな拍手に包まれた。

(西銘研志郎)

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