沖縄県那覇市大道で40年間、地域の人々に愛されてきた24時間営業の書店「ブックスおおみね」が26日、閉店した。深夜でも、明かりがともっているため、周辺地域の防犯にも貢献してきた。最終日は常連客が絶え間なく訪れ、閉店を惜しんだ。
ブックスおおみねは1982年、代表の大嶺浩邦さん(73)が始め、息子の輝浩さん(50)らも高校生の頃から手伝うようになった。客の要望で90年ごろに24時間営業になったという。家族4人で店頭のシフトや入荷・配送を担ってきた。
扱う本は漫画、雑誌、沖縄関連本と幅広い。客層も子どもからお年寄りまで幅広く、栄町で飲んだ後に寄る人や飲食店従業員らもいた。閉店を知り、「子どもの頃に通った」と県外から電話をかけてきた人もいたという。
閉店の理由は時代の変化で本が売れにくくなったというだけではなく、輝浩さんは「両親も高齢になり、いろいろな理由が重なった。閉めるならこのタイミングかなと思った」と話す。「40年間、いろんな方に支えられた。感謝の気持ちでいっぱいだ」とほほ笑んだ。
小学生の頃から通っている男性(47)はは「さみしいけど、これだけ長く続けてくれたのだから『お疲れさま』と言うほかない。ゆっくり休んでほしい」と感謝した。
(伊佐尚記)