「母を殺していません」娘夫婦、逮捕容疑を否認 「おでん東大」店主殺害 被害者の資産、事件後に娘の所有に


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女性店主が殺害された人気飲食店の「おでん東大」=11月、那覇市安里

 沖縄県那覇市安里の通称・栄町の人気飲食店「おでん東大」の女性店主(58)=当時=が殺害された事件で、県警特別捜査本部(本部長・幸喜一史刑事部長)は7日、殺人容疑で逮捕した容疑者の店主の娘(34)=宜野湾市=と、その夫(34)=同=は「私も夫も、母を殺していません」と、容疑を2人とも否認していると発表した。

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 県警特捜本部は同日、共謀の上、女性店主の首を絞め殺害したとして、同容疑で2人を那覇地検に送致した。

 関係者によると、女性店主は数千万円に上る資産を有し、生前、2人に経済的な支援をしていた。一方、娘は芸術活動などの傍ら、店主に金の無心を繰り返していたという。事件発生から約2カ月後、女性店主の自宅マンションは娘が相続し、名義変更された。また、遺産の一部の受け取り手続きを済ますなど、死後、女性店主の財産が娘の所有に移っていったという。これまで2人は、インターネットなどで完全犯罪に関する情報を収集していたことから、物的証拠につながる可能性のある所持品を廃棄するなど、証拠隠滅を図ったとみられる。

 県警特捜本部は、動機は財産目的の可能性が高いとみていて、殺害の経緯や資金の流れなど、詳しく調べを進めている。

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