【宮古島】航空自衛隊所属のブルーインパルスが11日、初めて宮古島市で展示飛行した。上空を通過する飛行音に観客の歓声、反対する市民の抗議の声。小さな島にさまざまな音が響いた。 空自が設置した平良トゥリバー地区の観覧場は島の西側に位置し、伊良部島を望むビーチ。早朝から続々と観客が押し寄せ、飛行予定時刻の2時間前には白い砂浜が人で埋まった。
付近は車が列をなし、会場に入りきれない人々は伊良部大橋や伊良部島などトゥリバー地区を見渡せる場所に集まった。
午前11時50分ごろ、ブルーインパルスが上空に姿を現すと観客らは一斉に「おぉー」と歓声を上げ空を見上げた。6機が白煙を上げながら飛び交う様子にカメラのレンズが向けられた。
孫を連れて観覧していた62歳の女性は「開始前に強い雨が降って帰ろうかとも思ったが、伊良部大橋をバックに飛ぶ姿を見て感動した」と話した。
一方、会場から数キロ離れた宮古空港周辺では「ブルーインパルス飛行NO! 下地島・宮古空港軍事利用に反対する実行委員会」による抗議集会が開かれた。
沖縄本島や県外からも参加した約130人が「島の空に戦闘機を飛ばすな」「島の軍事化は許さない」と怒りの拳を突き上げた。同委員会の下地博盛共同代表は「民間空港使用が大きな問題だ。地ならしされ、やがては恒常的に自衛隊や米軍が使うことにつながる。島が危険にさらされる」と危機感をあらわにした。
市民らは午後から市内をデモ行進し、空港使用と飛行に強く抗議した。
(佐野真慈、知念征尚)
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