地元の観光資源を再発見 仕事体験プログラム開発で滞在型観光へ転換図る 南城市と八重瀬町が連携


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
電動トゥクトゥクに試乗するイベント参加者=11日、南城市公共駐車場

 【南城】南城市と八重瀬町が垣根を越えて協働する市町村連携イベント「町がまるごとアクティビティ!未来をつなぐプロジェクト」が11日、南城市公共駐車場で開かれた。プロジェクトは、子どもたちが楽しみながら仕事観を養えるさまざまな「お仕事体験プログラム」の開発を通し、本島南部地域で公共交通の利用促進や滞在型観光への転換を図っていく。素潜り漁師やスポーツ選手、紅型作家など地域の仕事を体験できるイベントなどを、2市町各地で年度内に開催していく。

 11日は、南城市のコミュニティーバス「Nバス」から公共交通の仕事を学ぶ体験イベントや、電動乗り物の試乗会を催した。会場には南城市と八重瀬町のグルメやアクティビティも勢ぞろいし、来場者は地元の観光資源を再発見した。

 電動トゥクトゥクに初挑戦した30代の女性は「南城市は坂が多いため、電動トゥクトゥクのような乗り物があれば非常に便利だ。がんじゅう駅などに設置してほしい」と語った。

 Nバス体験プログラムでは、500円分のポイントが付与された「OKICA(オキカ)」が参加した子どもたちに贈られた。交通機関や地域協力店でも利用できるオキカポイントを今後もお仕事体験で付与していくことで、公共交通利用やキャッシュレス化の活性化も狙う。

市町村連携イベント「町がまるごとアクティビティ!未来をつなぐプロジェクト」を前に記念撮影に臨む関係者ら

 イベントの開始前には、古謝景春南城市長や新垣安弘八重瀬町長のほか、オキカを発行する沖縄ICカードの仲吉良次社長、電動トゥクトゥクを提供するeMoBi(エモビ、東京都)の石川達基社長らが記者会見を開いた。

 古謝市長は「南城市や南部地域の観光は来訪者の滞在時間を延ばすことが大きな課題となっている。イベントでは地域課題の解決に向けたプログラムが多く予定されている」と語った。

 プロジェクトは南城市と八重瀬町、観光協会、商工会、イーストホームタウン、サウスポーグループの8団体で構成する「南城市・八重瀬町地域間連携体」が主催する。一括交付金を活用した県の地域ビジネス力育成強化事業から約1千万円の補助を受けた。
 (吉田健一)