採掘業者「遺骨、絶対に混じらない」 新基地への使用「誤解。許せない」も公共工事への出荷は否定せず 沖縄・激戦地土砂採掘


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糸満市米須の鉱山=2021年7月(小型無人機で撮影)

 【糸満】沖縄県糸満市米須の鉱山の開発を計画する沖縄土石工業の永山盛也代表は28日までに、本紙の取材に応じ、「出荷するのは琉球石灰岩であり、遺骨が混じることは絶対にない」と改めて主張した。今後、採掘中に遺骨が発見された場合については「人道的にも道義的にも収骨は当然で、ルール(合意案)も決めている。遺骨をつぶすことは絶対にしない」と語り、総務省の公害等調整委員会(公調委)が6月に示した合意案に基づき、工事を一時中断した上で県と協力して収骨するとした。

 鉱山開発については、永山氏は「違法なことはしていない」として、県や市に対して「法にのっとって行政手続きを進めるべきだ」と訴えた。

 市民団体などから「遺骨が混じった土砂」との指摘があることについては「鉱山で扱うのは土砂ではなく、琉球石灰岩だ。これに遺骨が混じることはない」と繰り返し強調する。遺骨が混じった土砂が辺野古新基地建設の埋め立てに使われるという「誤解が全国に広がっている」として、「許せない」と語気を強めた。

 その上で、糸満市で採れる琉球石灰岩は質が高いため「埋め立てに使うのはもったいない。建材としての需要が大きい」と説明した。

 ただ、辺野古埋め立てを含めた公共工事への出荷自体は否定しなかった。

 来春にも予定する採掘に向けては、地元の米須自治会や行政からの信頼を損ねることなく手続きを踏んでから着手したいとの見解を示した。

(吉田健一、照屋大哲)