担任不在で児童生徒を他学級に振り分け、沖縄県内で21件 県教委が調査 定員上回る可能性も


この記事を書いた人 アバター画像 瀬底 正志郎
イメージ

 学級担任を確保できず、担任不在の学級の児童生徒を他の学級に振り分けて統合する事例が沖縄県内で計21件あることが26日、分かった。県教育委員会が、各市町村教育委員会を調査して明らかになった。臨時的任用教員(臨任)を確保できない学校の現場教員からは、負担増に苦しむ声や、保護者からは不安の声が上がっている。

▼担任不在で児童を他学級に振り分け 業務過多で校長決断 市教委「適切といえない」

 県教委によると、小学校普通学級で5件、小学校特別支援学級で12件、中学校特支学級で4件の計21件を、他学級に事実上「統合」している。中学校普通学級・高校・特別支援学校ではゼロ。集計数は、26日時点で「統合」運用をしている数。

 県内ではきめ細やかな指導を目的に、文部科学省が示している学級定員数より少ない人数で運用している。他学級へ子どもを統合している学校ではその定員数を上回り、教員が子どもを十分に見守れない可能性がある。

 一部の学校では、苦肉の策として一度統合したものの、校内の教科専科の教員を担任に充て、元のクラスに戻す動きもある。

 本紙が回答を募っている教員不足に関するアンケートには、子どもが通う学校で同事例があり、不安を訴える声が寄せられている。

 保護者の40代男性からは「1人の先生が見られる人数の限界を超えているのではないか。働きやすくなる環境をつくっていくために、社会全体で動くべきだ」とコメントがあった。

 (嘉数陽)
 

>>「教職員の働き方」ウェブアンケートを実施中。29日まで

>>連載「先生の心が折れたとき 教員不足問題」

【関連記事】

▼【記者解説】教員不足、他学級「振り分け」は氷山の一角か 子どもにしわ寄せ

▼教員不足、岸田首相「危機感を持って受け止めている」 参院本会議代表質問で答弁

▼沖縄県内の教員96人不足 22年10月時点、代替人員の確保難しく

▼教員「ドミノ倒し」 担任不在、カバーで過重労働 専門外授業が常態化