元自衛官「『切り刻んで殺す』と脅された」空自那覇基地でのパワハラ訴え 防衛省、関与隊員の処分手続きへ


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那覇基地

 【東京】元航空自衛官の男性が2018年に配属された空自那覇基地で、上司から日常的にパワーハラスメントを受けたことや服務規定違反を訴えており、防衛省が21日までに関与した隊員の懲戒処分に向けた手続きに入った。男性は宴会での暴行や職場での暴言を受けたと訴えている。防衛省はどの事実が手続きの対象となっているのか明らかにしなかった。

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 男性によると宴会の席で複数回暴行があり、電話で「切り刻んで殺す」などと脅されたこともあるとした。上司に相談したところ、別の班で勤務するよう言われたり、示談を促されたりした。男性は退職後、自身が受けたパワハラの他にも、職場内で見聞きした服務規定違反の疑いがある複数の事案などを告発した。

 防衛省の町田一仁人事教育局長は21日の衆院予算委員会で、共産党の宮本岳志氏の質問に「ハラスメント事案について部隊での調査を終え、懲戒処分すべき事実が判明し、空自で手続きをしている」と答えた。

 男性によると、防衛省から事実関係の調査結果をまだ知らされていないという。「第三者の視点を入れず、部隊内で調査をしていた。被害者(自身)に一切説明なく、議員に説明した」と不満を述べた。
 (明真南斗)


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