佐喜真淳氏を告発 政治資金「虚偽記入疑い」 佐喜真氏「事務方の単純なミス」と違法性を否定


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那覇地検

 2022年9月に投開票された県知事選挙に立候補した佐喜真淳元宜野湾市長(58)らが、県選挙管理委員会に提出した19、20年分の政治団体の政治資金収支報告書で、虚偽の訂正をしたとする政治資金規正法違反(虚偽記入)の疑いで、県外在住の市民が那覇地方検察庁に告発していたことが28日、関係者への取材で分かった。

 関係者によると、告発を受け、那覇地検は1月から2月にかけて佐喜真氏とその親族らから任意で話を聞いた。地検は今後、起訴するか不起訴処分とするか判断する。

 佐喜真氏は同日、琉球新報の取材に「2回呼ばれた」として那覇地検からの聴取の事実を認めた上で、「事務方の単純なミスだ」との認識を示し、報告書の訂正についての違法性は否定した。

 関係者への取材や告発状によると、告発されているのは佐喜真氏、政治団体「佐喜真アツシ後援会」代表の会社役員の男性=宜野湾市、団体の会計責任者を務める親族の女性=同=の3人。

 3人が共謀し、20年3月、21年3月にそれぞれ同政治団体から県選管に提出した19年、20年分の政治資金収支報告書に事実と異なる記入をし、虚偽の訂正を行ったとしている。

 19年分の政治資金収支報告書には当初、佐喜真氏から300万円の寄付があったと記載。しかし、政治資金規正法で定められた寄付上限の150万円を超えていると外部から指摘を受け、22年8月に300万円の内訳を、佐喜真氏からの150万円ずつの寄付と貸し付けだったとして19年、20年分の報告書をそれぞれ訂正した。告発状では、この訂正が「虚偽」で、政治資金規正法で罰則を伴う違反行為に規定される、政治資金収支報告書への「虚偽の記入」に当たるとし、「違法行為が発覚したために、それをなかったことにするために次の違法行為に及んだ事件」として地検に捜査を求めていた。


<用語>政治資金規正法の「虚偽記入」

 同法25条に規定がある。同条第1項第3号に「提出すべき書面に虚偽の記入をした者」への罰則として「5年以下の禁固または100万円以下の罰金」を課すとし、同法27条第2項には「重大な過失」についても処罰の対象となるとの規定がある。なお総務省は、収支報告書の訂正については同法上での「特段の定めはない」としている。

 

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