沖縄県知事選挙を巡り、立候補している佐喜真淳氏(58)=自民、公明推薦=の公式インスタグラムで3日、同じく立候補している現職の玉城デニー氏(62)=共産、立民、社民、社大、にぬふぁぶし、れいわ推薦=をおとしめる表現が記された画像が投稿された。スライドショーのような形式で、複数の画像や動画が投稿できるインスタグラムの「ストーリーズ」の中で掲載された。他のアカウントが「死にたいならデニー」「生きたいならサキマ」などと記した画像に対し、「県外からの応援嬉しいですね~ありがとうございます」と書き込んだ上で再投稿していた。佐喜真氏の陣営は3日夜、外部からの指摘を受けて投稿は「不適切だった」として削除した。公式インスタグラムやフェイスブックで4日、「不適切なリポストのお詫び」として、謝罪文を掲載した。
問題の画像は、佐喜真氏の公式インスタグラムのトップページに「沖縄から日本を守る!」との文字を記し、さらに、ハッシュタグ(検索目印)を付けて「死にたいならデニー」「生きたいならサキマ」と記載していた。
画像を投稿したのは県外在住者のインスタグラムのアカウントとみられ、フォロワー数は2700以上、新型コロナウイルスのワクチンに反対する立場で多くの投稿をしている。4日午前11時現在、このアカウントで問題の画像を見つけることはできなかった。
佐喜真氏の陣営は4日午前、公式インスタグラムやフェイスブックで、「不適切な表現があった」と陳謝した上で、「スタッフが内容を確認せずメンションいただいた先にリポストした」と説明した。
佐喜真氏のインスタグラムは、4日午前10時30分現在、フォロワー数は4100人以上いる。佐喜真氏のアカウントは問題の投稿を3日夜に削除したが、少なくとも10時間以上にわたって表示され、不特定多数の人が見ることができる状態になっていた。
ジャーナリストやミュージシャンとして活動する大袈裟太郎さんは3日午後7時すぎに佐喜真氏のインスタグラムで、問題の投稿を確認した際に、投稿された時間が「10時間前」となっていた。その後、大袈さんがツイッターで、佐喜真氏の投稿を指摘したところ、3日午後8時半ごろには問題の投稿が削除されていた。
大袈裟さんは、本紙取材に対して「投稿を見た時に、公式アカウントがこのような投稿をするとは思わず、目を疑った。数日前から、ゲストを招いた動画などの投稿を見ていたが、デマを追認し、利用する選挙活動をしているという疑念があった」などと述べた。
佐喜真氏の陣営は4日、琉球新報の取材に対して、問題の投稿について「応援の投稿がきていたので、(スタッフが)中身を確認せずに、見てますよ、という趣旨でリポスト(再投稿)してしまったようだ」と説明。
投稿が表示されていた時間については「正確には分からないが、指摘があった後に確認し、削除した。こうした表現があったことは気付かず、申し訳ない」などと釈明した。
(池田哲平)
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