母子死亡の浦添多重事故、ダンプカーの運転手を不起訴 那覇地検「病気で意識ないまま事故を起こした可能性」 沖縄


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那覇地検が入る那覇第一地方合同庁舎(資料写真)

 沖縄県浦添市の国道330号伊祖トンネル付近で、2021年2月、ダンプカーが中央分離帯を乗り越えて反対車線に進入し、1歳男児と母親が亡くなるなどした多重事故で、那覇地検は1日までに、自動車運転処罰法違反(過失運転致死傷)の罪で書類送検されたダンプカーを運転していた60代男性を嫌疑不十分で不起訴とした。2月28日付。

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 地検は「捜査を遂げた結果、男性に過失責任を問うのが困難であるため、不起訴とした。男性が病気によって意識障害を引き起こし、意識がないまま事故を起こした可能性を否定しがたいなどの事情を考慮した」などと説明した。病名などは明らかにしていない。

 事故は21年2月11日午後1時過ぎに発生。宜野湾市方面から国道330号を南下していたダンプカーが前方を走る車に接触後、中央分離帯を乗り越えて反対車線に進入し、計5台が絡む多重事故となった。那覇市の女性=当時(26)=と1歳の息子が亡くなるなどした。

 ダンプカーの男性もけがを負って一時入院。関係者によると「事故当時の記憶がない」などと話していた。県警は昨年3月、巻き込んだ車の計5人を死傷させたとして、男性を書類送検した。

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