戦没者遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さんは3日、沖縄県庁を訪ね、沖縄戦の激戦地だった沖縄本島南部の未開発緑地帯を県有地にするよう要請した。ふるさと納税を財源にすることも提案した。緑地帯には戦没者の遺骨が残っているが、辺野古の新基地建設に伴う埋め立て用の土砂として使われる可能性があるとして、具志堅さんらは危機感を強めていた。
要請で挙げられた未開発緑地帯は、糸満市摩文仁を中心とする沖縄戦跡国定公園に点在する。具志堅さんによると、区域内のほとんどが開発され、未開発の土地の面積は少ない。さらに未開発の土地のほとんどは利用価値の低い、琉球石灰岩の崖になっているという。航空写真で見ると、未開発の緑地帯は緑の川のように見える。
具志堅さんは県への要請後、県庁内の記者クラブで会見し「戦没者の血を吸い込んだ土砂を軍事基地建設の埋め立てに使うというのは、戦没者に対する冒涜(
ぼうとく)だ。遺骨の保護と次世代に沖縄戦を継承し、平和を考える慰霊の場所として残すために、県有地にすべきだ」と話した。
財源にふるさと納税を活用するよう提案したことについて、「財源確保だけでなく、非人道的な国の行為を全国に告発するためでもあり、埋め立て計画の撤回につながるのではないかと、わずかに期待している」と説明した。(稲福政俊)