オリオンビールがワイン開発へ 糸満市観光農園の酒造施設を使用 2024年発売目指す


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糸満市観光農園の酒造施設運営業務について共同で記者会見に臨むオリオンビールの村野一社長(右)と糸満市の當銘真栄市長=8日、糸満市役所

 【糸満】沖縄県糸満市の當銘真栄市長とオリオンビール(豊見城市)の村野一社長が8日午前、糸満市役所で共同会見し、2023年度から2年間、糸満市摩文仁の市観光農園酒造施設をオリオンビールが使用し、同社では初となるフルーツワインやフルーツピューレなどの商品開発に着手すると発表した。村野社長は「消費者ニーズが多様化する中、商品の幅を増やして県民や国内、海外のニーズに応えたい」と話した。

 オリオンビールは市の特産品であるマンゴーやパッションフルーツを使い、2024年の早い時期にワインの販売を予定する。23年は試験開発を実施し、価格などは未定。

 糸満市観光農園の酒造施設では、コロナ禍の影響で2020年6月に入居企業が撤退した。翌21年に市が新たな運営受託者を公募したが、応募企業はなかった。22年はオリオンビール1社だけから応募があり、地域の果実を活用した新たな製品の開発拠点に位置付けるという提案の企画力が評価された。今後、両者間で施設使用に関する契約を交わす。

 當銘市長は「市の農産物が使われることで、農家の所得向上にもつながる。ふるさと納税の返礼品にも活用したい」と述べた。オリオンビールが酒造施設を使用することで、糸満市観光農園の誘客にもつながると期待した。(比嘉璃子)