【宜野湾】宜野湾市新城の宮島利盛さん(84)宅ではセンカクツツジが見頃を迎えている。2021年に亡くなった妻のトシ子さんと丹精込めて育てたツツジたちが所狭しと並び、庭を淡いピンク色に染める。「妻と『咲いているだけで勇気が出るね』と語り合った思い出の花なんだよ」と笑う。
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約30年前のタクシー運転手時代に、お客さんから苗木をもらったのが育てるきっかけとなった。自身が所有する恩納村名嘉真の山に植えると、あれよあれよと花が開き、今では数えられないほどの本数に。妻のトシ子さんと毎週足を運び、手入れするのが習慣だった。愛情をかけすぎたせいか、中には3メートルを超える大木に育ったものもあったという。「メジャー持っていって測ったわけさ。その時は2人ともたまげた」と振り返る。
家でも楽しもうと鉢にも植え替えた。今では山に劣らず、庭もすっかりツツジでいっぱいとなった。約60年連れ添ったトシ子さん亡き後も、1人で手入れを続ける。「(妻も)見守ってくれているんだはず。今も山に行ったら一緒に歩いている感じがするんだよ」。ツツジのほかに桜やランなども咲き誇る山は「幸せの山」と名付け、いつの日か子どもたちの遠足の場所にしたいという。
今年は、庭の鉢植えに一度も見たことのない鮮やかなピンク色のツツジが咲いた。「何の種類かは分からないけど、きれいでしょ。これも大事に育てようね」と話した。
(新垣若菜)
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