ヘイトへの抗議を始めて150週 「条例は全会一致で可決を」市民団体 那覇市役所前


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那覇市役所前でヘイトスピーチに反対する「沖縄カウンターズ」のメンバーら=29日午後、那覇市泉崎

 ヘイトスピーチ街宣に抗議する市民団体「沖縄カウンターズ」の那覇市役所前でのスタンディングが、29日で150週目を迎えた。市役所前での活動は2020年5月に始まり、市民らは毎週水曜日、街宣に反対し続けた。30日には県議会2月定例会の最終本会議で、ヘイトスピーチ防止を目指す「県差別のない社会づくり条例」案が可決される見通しとなっている。参加した市民からは、条例案の全会一致での可決を求める声が上がった。

 抗議150週目となった29日、那覇市役所前は今にも雨が降り出しそうな曇り空だったが、10人ほどの市民が抗議に参加した。参加者は「NO Place FOR HATE」と書かれた旗を掲げるなどし、ヘイトスピーチに抗議した。また県議会での条例案の採決へ向け「全会一致の条例可決を!」と記したボードを手にする市民の姿もあった。

 スタンディングでは参加者がこれまでの活動をそれぞれ振り返った。メンバーからは「(条例案は)全会一致で可決してほしい」「条例案は満足いくものではないが、県議は県民の代表という姿勢を示してほしい」といった声が上がった。

 初回から抗議に立つ女性(79)は「(ヘイトスピーチ街宣は)怖かったが、みんなで集まることで抗議ができた。条例は社会に対して差別は許されないというメッセージを発するものになってほしい」と振り返った。

 参加した別の女性は「市民が体を張ってヘイトスピーチに抗議してきた状態が150週続いたということだ。条例案は十分な内容ではなく実効性が担保できるのかは分からないが、市民がここまでやらなくてもよい沖縄になってほしい」と語った。
 (西銘研志郎)

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