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マザー・テレサの言葉 村野一・オリオンビール代表取締役社長 <仕事の余白>


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 はじめまして。オリオンビールの村野一です。拙文ながら、少しでも皆様の気づきとなれば幸いです。

 第1回目は、私のキャリアの原点についてお話したいと思います。

 14歳の時、(1)海外で活躍できるビジネスマンになりたい(2)会社を経営したい―という二つの目標を立てました。学生時代は、父親の会社が倒産するなど逆境もありましたが、B’zの稲葉浩志さんも所属してくれたテニスサークルを立ち上げるなど、「自分のやりたいこと」の実現に向けて、積極的に行動していました。

 卒業後、急速に世界展開をしているソニーに入社。希望通りの海外部門配属となりました。計8カ国に赴任しましたが、今、思い出すのは1991年~92年、旧ユーゴスラビア駐在中のマザー・テレサとの出会いです。当時の紛争で、自らの想いとは別に、出身が異なるが故に同じ事務所で一緒に働いていたメンバーが切り裂かれ、私たち家族も戦火から逃れるため避難を余儀なくされました。

 この時、隣国アルバニアの空港で偶然お会いしたマザー・テレサの「日本は自分達でできる。だから私は二度と日本に行く必要がないの」という一言が、私のキャリアの原点となりました。

 困難に直面しても「沖縄も、オリオンビールも、自分達の目標を達成できる」。沖縄と共に成長することを社是とする企業の代表として、彼女の言葉を改めて心に刻み、これからも懸命に努力していきたいと思います。