【図入り】陸自ヘリ事故、捜索難航は潮流影響か 浮遊物の地点と主な回収物


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ボートを出して水面に顔をつけ、水中の手掛かりを探す自衛官ら=12日午後4時21分、宮古島市伊良部島(小川昌宏撮影)

 沖縄県宮古島市沖で陸上自衛隊のヘリコプターが消息を絶った件で、自衛隊や第11管区海上保安本部は事故発生の6日から連日24時間体制で行方不明者の捜索を続けている。機体の一部とみられる浮遊物は確認されているものの、行方不明者の捜索は難航している。11管は現場海域が複雑な潮流で、捜索に影響を与えている可能性も指摘する。  

 12日にあった11管の島谷邦博本部長の就任会見では事故に関する質問が集中した。  

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 会見に同席した11管の木村琢磨海洋情報企画調整官は、現場海域が宮古島と伊良部島という陸地に挟まれ、一般的に潮流が強くなる条件下にあると説明。6日は潮流が強くなる大潮だったとも指摘した。  

 また、伊良部島の北側を進む黒潮から派生した流れが現場海域に入り込む可能性もあるとしたほか、事故発生当時、南風だった風向が強い北風に変わったことによる影響もあるとの見方を示し、「非常に複雑な流れが混合するような海域なので、捜索が難航することも考えられる」とした。  

 島谷本部長は「そういった海の流れや風、これまでの知見をデータ化して捜索区域を設定している」と説明。「行方不明者が1人も見つかっていないので、引き続き船艇や航空機で捜索に当たる」とし、当面は捜索を実施する方針を示した。

(大嶺雅俊)

 


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