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原動力は我が子の存在 宇田悦子・フードリボン代表取締役社長 <仕事の余白>


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 フードリボンは、今まで捨てられていた農業資源を生まれ変わらせ、生産者から消費者までをつなぐリボンとなることを社名の由来としています。

 創業時は全てが未経験で、ゼロからのスタートでした。多くの方々に支えられて、一歩ずつ歩みを進めることができています。

 そんな私の原動力は、子どもの存在です。4年前に沖縄に引っ越して来てすぐの頃、「海の絵を描いたよ!」とうれしそうに持ってきてくれました。見てみると紙一面に描かれた海にはペットボトルが浮かんでいました。

 また、赤茶色の入浴剤を入れた湯船に子どもとつかった時に、「沖縄の海もこんな色だったよ」と言われたことがありました。沖縄の海は透き通ったきれいな青という印象を覆され、はっとしました。一瞬でも子どもが見た事実です。なぜそうなったのかという疑問に対して子どもと対話していくと、私がこの事業を行う意味に改めて深く気付かされ、想いが一層強くなりました。

 未来に残したいのは、生きとし生けるもの全ての多様性に満ちた本当に美しい地球です。

 今起きている課題の根本を解決するためには、一人ではなく、また一企業だけでも、一つの地域だけでもなく、みんなの力の結集が必要だと切に思います。そして、自分だけのこと、自分たちの時代だけを考えるような考え方から脱却することも必要です。そんな想いに至るきっかけを与えてくれた沖縄、そして大宜味村に、私は心から感謝しています。