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感謝に満ちあふれ 阿波根昌樹・HPC沖縄代表取締役 <仕事の余白>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 2014年2月14日、HPC技術は極薄コンクリート板を誕生させた。HPC(ハイブリッドプレストレストコンクリート)とは、高強度繊維補強コンクリートに異なる2種類の緊張力による相乗効果を活かしたコンクリート工業製品だ。

 そのHPC技術の開発が評価され、今年1月に第9回ものづくり日本大賞「経済産業大臣賞」の受賞、本土復帰50年の節目に沖縄から17年ぶり、とても感慨深い。関わっていただいたすべての方々に感謝を届けたい。

 東京の授賞式会場、受付では、「阿波根」の読みを尋ねられる。いつものように「アワネさん」、「アハネさん」と呼称され、おもむろに名簿のふりがなを見つけ、「アワゴンさんですね」とマジのボケが入る定番フレーズである。もちろん「アハゴンです」とツッコミし返す。レア名字のルーティンから始まった。特に大臣が氏名を呼称するとあって、アクセント確認まで念入りだった。

 授賞式、大臣説明のリハーサルを終え、高揚感と緊張感に包まれ本番。西村経産相は正確に私の名前を呼称、その後、HPC技術の説明にも真剣に耳を傾けた。何か刺さるものがあったと思う。何故かHPCのブースには制限時間を超えて滞在していたのだ。去り際には、「アハゴンは一度聞いたら、もう忘れられない」と一言、残しての退場である。3月12日、来県した西村経産相は、経済団体とスタートアップの両会合の場で何故かHPCの名を挙げていたと風の噂(うわさ)に聞いた。すべて感謝。