沖縄県内の指定暴力団・旭琉会の幹部が台湾に本拠地を置く団体代表に就任したことが30日までに分かった。関係者によると団体は「華松山(かしょうざん)」と呼ばれ、「任侠(にんきょう)団体」だと言う。旭琉会の傘下団体が台湾の団体と親交を深めていたことは琉球新報の取材で分かっているが、団体のトップに就任するのは初めて。台湾、中国を巡る非公然団体との連携は新たな局面に入った。
関係者によると、団体の上部組織は華僑系のネットワークとも連動していて、実態が表面化することがない結社「洪門(ほんめん)」と語る。
「洪門(ほんめん)」は「青幇(ちんぱん)」と並ぶ世界規模の二大団体とされる。華松山は洪門と関係し友好団体に当たるという。
2月中旬には華松山の代表就任に伴う継承式があり、県警は警戒態勢をとった。また関係者によると、今月に入って旭琉会幹部は台湾を訪問し、洪門のメンバーも参加した就任披露式も開いている。
指定暴力団の幹部が海外に足がかりとなる拠点を設けたことに対し、県警関係者は「上部団体を含め傘下団体には台湾マフィアの関与も確認されている。引き続き動向を注視していく」と警戒を強めている。県内での継承式には「洪門」の関係者も列席していたことを県警も把握。団体の性格や目的の把握に努めている。
洪門は中国で設立された結社とされる。その流れをくむ華松山は中国の思想家、墨子の教えを継ぐ団体として台湾にも拠点を置いているという。
今回の旭琉会幹部が就任する以前の華松山のトップは関東在住の男性が務めていた。男性が引退の意思を表明したため、後任に旭琉会幹部を男性が指名し「就任の運びとなった」と言う。
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