昨年改訂された「沖縄県クリーンエネルギー・イニシアティブ~2050年度脱炭素社会の実現に向けて~」は、30年度までに達成すべき沖縄県の将来像をうたっている。
その役割を担う電力事業者の経営環境をロシアのウクライナ侵攻の影響が直撃、目標達成は厳しいものとなるが、脱炭素社会に向けた取り組みを後退させることなど、今や国際社会が許さない。
未来世代のため現役世代の一人としてコンクリ分野に携わる者として、土木建築物の低炭素化へのアイデアを提案したい。
どこの建設現場にも「捨てコン」と呼ばれる基礎工事などの前に流し込むコンクリートが存在する。正確な位置の墨出し、型枠や鉄筋の固定など多岐にわたる目的のために必要不可欠だ。その「捨てコン」、あまり知られていないが、特に構造物の強度とは直接の関係はない。
そこで「捨てコン」の材料を普通コンクリートから低炭素コンクリートへ仕様を変更するだけで大きな予算負荷をかけず、土木建築物の低炭素化に寄与できる。ぜひ、沖縄の公共工事での先行採用を期待したい。
低炭素コンクリートを積極的に取り入れる開発中の第2世代HPC(ハイブリッドプレストレストコンクリート)による『まちを森化』構想は、CO2のコンクリート貯留を実現し、地球温暖化という社会課題解決に貢献することを目指す。
沖縄発の脱炭素社会への取り組みは、環境保護に関心のあるインバウンド層の増加にもつながる観光資源となるはずだ。