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沖縄は「82番目の国」 村野一・オリオンビール代表取締役社長 <仕事の余白>


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 本日は「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)」のお話をします。

 DE&Iとは、公平な機会の下、様々な価値観を持つ人材が互いに尊重し合う環境がより高い価値を生み出すという考え方です。

 社会人になり、81カ国を訪問しました。ベトナムでは山賊に襲われ、メキシコでは誘拐の危機から常時5人のボディガードに囲まれて暮らしました。誰一人知らない国で、ゼロからビジネスを立ち上げることも多かったです。

 経験を積むにつれ、人材は世界中から集められることを学びました。サウジアラビアでは、IT人材をインドから、マーケティングはフィリピン、営業はスーダンから採用しました。民族によって得意分野が違うと考え、28カ国から集まった社員と仕事をしました。戸惑いの連続でしたが、多様な価値観を尊重する環境を整えたことで、大きな成果を上げられました。

 ドイツでは、女性上司の下で働きました。効率的な仕事の進め方や周囲への気配り、大いに勉強になりました。

 正直、誰も知らない国で仕事をすることは、簡単ではありませんでした。相手の個性や文化を好きになり、同時に自分を知ってもらうため懸命に努力しました。

 沖縄は自分にとって82番目の国と考えています。相互理解の努力を怠らず、多様な人材、女性活躍の場を整えて、大好きな沖縄とオリオンビールを世界に羽ばたかせたいです。