色やデザインが多様化し高値傾向にあるランドセルについて、琉球新報は県内の新1年生の保護者を対象にアンケートを実施した。購入価格は6万円台が25.2%で最も多く、次いで5万円台が19.3%だった。78.2%がランドセルの価格を「高い」と感じている。ランドセルを使う習慣について「続いてほしい」と「自由に選べるようにしてほしい」が拮抗(きっこう)した。低価格のかばんの普及を求める声も寄せられた。
ランドセル工業会によると、ランドセルの価格は1990年代は3万円台だったが、2014年ごろから4万円台と上がっていった。記者が7月に県内大型量販店の店頭で価格確認すると、1万~8万円台のランドセルが販売されていた。
本紙が保護者を対象にしたアンケートでは、適正価格は「3万円台」が39.1%と最多だった。
新1年生がランドセルを使う慣習について「好ましいと感じており、今後も続いてほしい」と回答したのは38.4%で、「違和感があり、各家庭でランドセル以外のかばんも自由に選べるようにしてほしい」が34.3%と僅差だった。「どちらともいえない」は27.3%で、保護者の複雑な心境が表れた。
自由記述では、ランドセルは「小学生の象徴」として好意的にとらえる意見があったほか、ランドセルは「高い」として低価格のかばんの普及を求める声も相次いだ。行政によるランドセルの無償提供の要望もあった。
回答者の95.9%がランドセルを購入していた。きょうだいからのお下がりなどで購入しなかったのは4.1%にとどまった。1万円台で買える通学用リュックを購入したとの回答もあった。
ランドセルを購入したのは祖父母が62.7%で、親は34.7%だった。
アンケートは6月16~22日にかけて那覇、南城、宜野湾、沖縄、名護、宮古島6市の小学校7校の新1年生計約880人の保護者を対象に質問を配布し、回答を得た271件を分析した。
(梅田正覚、與那原采恵)