辺野古座り込みの市民 機動隊の排除で肋骨にひび 63歳男性


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市民らを排除する機動隊。胸に手を当てながら機動隊に痛みを訴える儀間真徳さん(手前左)=28日午前7時3分、名護市辺

 【辺野古問題取材班】名護市辺野古での新基地建設に反対する抗議行動で28日、米軍キャンプ・シュワブの旧ゲートに座り込んでいた儀間真徳さん(63)=うるま市=が機動隊の排除時に胸を強く押されたことで痛みを訴え、救急車で病院に搬送された。検査の結果、左胸の肋骨(ろっこつ)1本にひびが入り2週間の治療が必要と診断された。大浦湾ではスパット台船3基と大型クレーン船1隻による海底掘削調査が確認された。

 28日午前7時ごろ、旧ゲート前に座り込む市民ら約70人を約120人の機動隊が排除し、機動隊車両と鉄柵で囲い込んだ。その間、工事関係車両約15台が基地内に進入した。
 儀間さんは座り込み最前列でスクラムを組んでおり、排除時に機動隊が儀間さんの胸を押しながら指をほどこうとしたという。その時、左胸から骨が折れる音が体に響いたという。儀間さんは「やめろ」と訴えたがしばらく聞き入れてもらえなかったという。痛みで自力では立ち上がれず、機動隊2人に抱えられて排除された後、搬送された。
 午前9時半ごろ、胸にコルセットを巻いてゲート前に戻ってきた儀間さんは「絶対に許せない。やられたせいで余計に燃えた。仲間と断固闘う」と述べた。告訴も考えているという。
 市民らは機動隊の過剰警備に憤り、けがの説明を求めて午前8時から約1時間にわたって新ゲート前で座り込みや抗議デモを実施した。平和運動センターの山城博治議長は「非暴力でスクラムを組むわれわれになぜ暴力を加えるのか」と批判を続けた。
 この日は東京都から「基地のない平和な沖縄を目指す会」の約40人が早朝抗議などに参加した。大久保雅充共同代表は、警視庁機動隊が沖縄で市民を排除する姿に「沖縄の問題と矮小(わいしょう)化せず、東京でも連帯して声を上げていく」と語った。
 夕方には鳩山由紀夫元首相も訪れ、政府による久辺3区への補助金に触れ「安倍政権は金で解決する魂胆。日本中がおかしいと思っている」とあいさつした。