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東陽・那覇バスが減便 2社で計17路線を減便、60番は廃止に 乗務員不足を補えず、最終便の時間繰り上げも


東陽・那覇バスが減便 2社で計17路線を減便、60番は廃止に 乗務員不足を補えず、最終便の時間繰り上げも 11日から6路線で減便に伴いダイヤ改定が行われる東陽バス=8日、那覇市内
この記事を書いた人 Avatar photo 與那嶺 松一郎

 東陽バスと那覇バスは11日から人員不足や利用状況を踏まえ、一部路線で減便を伴うダイヤ改定を実施する。東陽バスは十分な乗務員を確保できない状況にあるとして、60番(泡瀬イオンモールライカム線)を廃止し、6路線での減便を決めた。那覇バスは11路線で運行本数を減らす。両社はいずれもダイヤ見直しを検討するとした上で理解を求め、内容については「ホームページで確認してほしい」と呼びかけた。

 東陽バスは平日の30番(泡瀬東線)が28往復から24往復、37番(那覇新開線)が21.5往復から15.5往復、38番(志喜屋線)が3往復から1.5往復、338番(斎場御嶽線)が3.5往復から3往復、331番(急行バス線)が4往復から1.5往復となる。泡瀬営業所とイオンモールライカムを往復する60番は廃止する。同路線と重なる31番(泡瀬西線)は23往復から23.5往復で片道を増やす。土・日・祝日ダイヤも変更する。

 さらに同6路線の最終便を繰り上げる。これまで午後8~9時台が最終だったが、8時以降の運行を取りやめ、最終便は午後7時台に見直す。

 背景にバス業界でも適用される労働時間規制の「2024年問題」や深刻化する人手不足がある。法改正により来年4月から稼働時間が現行より短くなることも踏まえ、最終便の繰り上げを検討してきた。

 改正法へ対応しなければならない事情も含め、担当者は「現状では乗務員配置が難しい。減便せざるを得ない状況だ」と理解を求めた。その上で人員の状況によっては「改めてダイヤを検討していくことになる」とも話した。

 那覇バスは新川営業所を拠点とする1、2、3、4、5、7、8、13、14、16、19番の11路線で計34.5往復を減便する。多い路線で6往復、平均3往復減の見直しとなった。これまで他の路線で増便もあったが、今回は3~4カ月ごとに実施している利用実態調査に基づき利用状況が少ない時間帯で効率化などの観点から減便を決めた。

 同社は「需要があればまた増便を行う」とした一方で「2024年問題」に触れ「いろいろ検討しなければならないだろう」と見通した。
 (謝花史哲)